皆様にも年に何度かは「書き方見本」が存在する大事な書類に記載する機会があると思います。その時に見本に載っている名前って気になったりしませんか?
特定の法人さんでは、その法人名をもじった架空の名字を作成し使っていることが最近では多いですね。しかし一部の公的な機関ではまだまだ実在する名字を使っているところも多い印象です。
そんな中でよく見かけるのが「山田」という名字。
これなんで「山田」さんが使われているのでしょう?
確かによく聞く名字だけど、実は周りに山田さんって滅茶苦茶たくさんいるわけではない。全国で最も多い名字って確か「佐藤」とか「鈴木」だったような…?じゃあ「山田」ってどっから出てきた…?
当たり前すぎて特に気にも留めたことがなかった人が大半であろうことと思います。『初耳学』でも取り上げられ話題となったこの疑問の回答を詳しくまとめます!
「山田」さんの数は全国12位
全国名字ランキングを参照すると、
なんと「山田」さんは12位に登場。
決して少ない数とは言え、1位の「佐藤」さんの方が2倍以上多いという結果に。
山田さんよりも多い名字が11もありながら、見本の名字として抜擢されることが多いというのはあまりにも不思議。やっぱり字が簡単だから?小学1年生でも読める漢字だから?憶測は拡がって行きますね。
しかし、そこにはそういうニュアンス的なものではなく(そういう理由もあるのかもしれませんが)数値に基づいた確固とした理由があったのです。それを以下にご紹介します。
全国各地で広く使われているから
見本に使われる名字には、満たさなければならない大きな3つのポイントがあります。
1つ目は「特定の誰かを指していない」こと。
2つ目は「見本の役割を果たしている」こと。
この2つに関しては、不特定多数を指すことや読みやすい漢字が使われていることで十分条件を満たすことができるため、メジャーな名字のほとんどでクリアすることが可能です。
そして引っかかってくるのは次の3つ目。
それは「全国で幅広く使われている」ことです。
名字には実は特定の地域性があります。
明治時代に名字を名乗ることが義務付けられた際、庶民の多くが住んでいる土地の風土や身の回りのゆかりがある物を名字として採用したことから、一定の地域を中心に広まっている名字というものが多数存在します。
これはメジャーな名字に関しても例外ではなく、例えば「佐藤」や「鈴木」は東日本に多く分布している名字。西日本では最メジャーを謳うほどの人口は存在しないそうです。こうなってくると一定の地域においては馴染みの薄い見本となってしまうため、数が多いというだけで見本に適していると判断することはできません。
そこで登場するのが「山田」です。
絶対数こそベスト10に入るほどではありませんが、米食文化である日本にとって最も当たり前であった「田」んぼという地勢と「山」という風景のセットからなる「山田」は、全国に最も幅広く分布している名字に挙げられるとのこと。
以上の観点から数と分布のバランスを総合して見た結果、見本例として使用するのに最も適した名字として「山田」さんが選ばれるようになったのです。
まとめ
使われている数では全国12位という、"比較的に見て多め"な結果に終わった「山田」という名字ですが、日本の最もありふれた風景の漢字を利用しているということで、全国各地に幅広く「山田」さんは存在している。
そんな理由から「見本例」としての地位を確立し、親しまれてる名字となったという結論に。一見すると特別ではないように見えて、実はしっかりと吟味された結果だったというのだから面白いですね。
最初に書きました通り、法人ごとにユニークな名字を採用するところが増え、以前に比べると「山田」さんも見ることが減っているとは思います。
だからこそ見つけた時にはこれを思い出してフフッと笑えたら、少しだけ人生楽しくなるのかなぁと思います。そういうたくさんの少しの中に、この記事を読んだことを加えてもらえたら嬉しいです。お読み頂きありがとうございました。