若者のテレビ離れという言葉が嘯かれるようになって何年も経ちました。
実際に若い世代はテレビを見る人よりネットの動画を見ている層が増え、テレビは元々見ていたアラフォー世代向けのものというイメージも強まっていると思います。
僕はそんな中、ここ数年で結構バラエティ番組を見ることが増えた20代(もうすぐ30代)なのですが、時折思うことがあります。
「バラエティ番組って最近面白くなったよな」と。
この記事では僕がそう感じている理由を書いて行こうと思います。
1.ネットとの違いを意識し出した
5年ほど前までは、ネット上に存在する動画は素人のお遊びであるという認識がテレビ業界全体で根強かったと思います。
目新しさから笑いや人気を取っているだけで、やっていることは低レベルで自分達に及ぶことはないという驕りが見えていたことから、ネットを楽しんでいる若者の支持を得られなくなったというのが当時の実態でしょう。
元々10年以上前まではテレビも「くだらないことで笑いを取る」というのが基本でした。それが「人を蔑んだり虐げたりする」という方向にエスカレートしてしまったのが問題となり、それを面白いと思い続けていた節があります。一部においては、ネットの台頭がそれをより意固地にさせたのかもしれません。「嫌なら見るな」は名言でした。
そういった「低俗」とも呼ぶべきバラエティ番組は忌み嫌われるようになり、バラエティ色を求める客層は単純な「くだらなさ」を持ったネット動画に流れて行くことになります。
特にYoutuberという明確な価値観ができて以降、徐々に「自分達とは異なった世界のエンタメ文化」という認識がテレビ業界にも芽生え始めたと感じています。やはり名前がついた存在が生まれるというのは大きいようですね。
Youtuberも内容だけ見れば売れない芸人や素人が個人で行うお遊びのような動画が多いですが、そのつくりや演出についてはそれらを魅力的に見せる工夫があり、やはり「今風」と呼ぶのにふさわしい面白さがあります。
こうした新しい文化の位置づけが確定したことと、テレビの視聴率低下が如実に突き付けられることになったことから、テレビ業界にも今やネットとテレビの違いを明確に把握している人達が増えたのではないかと感じています。
2.知的な番組が増え出した
ネットとの違いを意識したテレビ業界は、少しずつ「ネットにはできない番組」を意識してバラエティ番組を作る方向にシフトしているというのが僕の所見です。
ネットとテレビ大きなの違いは、主に3点であると考えています。
- 用意可能な予算
- 出演者&スタッフに起用可能な人数
- ブランドや企業という立場を利用した取材力
いわゆるマンパワー。
個人ないし少人数での製作が基本となるネット動画には用意できない物的な力が、テレビの魅力であると考えられます。
そういったテレビならではの魅力とネット動画に求められるエンタメ性を総合的に精査した結果、テレビはネットと競合するくだらない番組を作ることを避け、知的なアプローチの多い番組を増やす方向にシフトしたというのが実感値としてあります。
以下に知的なアプローチから増加したバラエティ番組を列記していきます。
クイズ番組
バラエティ性と知性の複合というのは、最も分かりやすいのがクイズ番組。とにかくクイズ番組は増えた。
毎日レベルでクイズ番組はやっていますし、逆に飽きるという声が出るのも分かります。
クイズ番組はとにかくたくさんの人を用意する必要がありますし、問題も作らなければなりません。さらに司会者や解答者の知性と面白さのバランスが重要になるので、現状のネット文化ではマネが難しい題材と言えます。簡単かつ確実にネットを排除できることから、クイズ番組が手堅い選択になっていると言えるでしょう。
雑学や知識紹介番組
次に多いのが、雑学や豆知識を紹介する番組。
クイズ番組の問題にも似たようなものが多いですが、こちらはクイズではなく紹介をメインにした番組です。実はこのブログもこういう番組から記事ネタを拾っているので、かなり助かっています。ありがとうございます。
これらはやはりテレビの持つブランド力が重要。「テレビだから取材に行ける」という強さがあると思います。まだまだYoutuberやネットメディアを信用して取材を受けてくれるところばかりというわけではありませんからね。
難点としてはどこの局を見ても林修と池上彰がいるということでしょうか。
こういう番組は「語っている人間の知的レベル」が=番組の信頼性になるので、MCに据えられる人が限られてしまうんですよね。だいたい同じ人が同じようなことを違う局でしているという状況に陥りやすい。もうその人が嫌いだと楽しめないですよね。
面白い一般人を探してきて利用する番組
その他面白い一般人を呼んできて、面白おかしく番組を展開する番組も増えました。これもテレビだから連れてこれる、取材できる、というわけですね。「足を使った番組」というのはテレビの強みが出ると思います。
ちなみにこれらの番組のMCはかなり高い確率で明石家さんまかマツコデラックスです。
どんなに面白くても素人は素人。番組の回し方や演出、見どころを作る力はあります。だからそれを生み出すMCの力量が非常に重要となるようです。
僕が思うに今のテレビ業界で「どんな人間を呼んできても番組を成立させられる」力を持ってるのがこのお2人なんですよね。頼りすぎだとは思うのですが、現実として面白いからまぁ今のところ良いかなぁと。
まとめ
このように今のテレビ番組は、ちゃんとテレビにしかできない番組作りをしている印象があり、正直見ていて「勉強になるな~」と思うことが増えました。
僕はどうでもいいことを見て「へぇ~」というのが好きなタイプの人間なので、最近のテレビのバラエティ番組は見ていて面白いです。知識レベルの高い番組も増えていて、本当に勉強になるように感じる時もあります。そういうものを選んでブログの記事にしています。
最近めっくきりテレビを見なくなったなぁという方も多いと思いますが、一度気になるものをピックアップして眺めてみてください。ゲラゲラ笑えるという類いの番組は減りましたが、何となく眺めていて面白い番組も多いですよ。
お読み頂きありがとうございました。