普段私たちが何気なく払っている水道代。
公共料金の中でも節約が難しいポイントでもあります。ガスや電気など光熱費と比べると節約したところで微々たる差というイメージも強いですよね…。以前は住宅業界にいた僕ですが「水道代が安くなる!」という謳い文句で売られている商品はほとんど見たことがありません。トイレとか食洗機くらいじゃないでしょうか。
そんな水道代、地域によって大きな格差があるということはご存知ですか?その差はなんと最大で8倍!
毎月1,000円が最低なら毎月8,000円が最大ということ!全く笑えない料金差です!
実はどんな公共料金よりも地域差が大きい水道代。どうしてこのようなことが起きるのか、そして安い地域はどのようなところなのか。テレビ番組の情報を元にこの記事ではまとめます!
水道料金は地域の水源のキレイさで変わる!
現在の日本ではどの水道から出る水もキレイで、地域別で大きな差はない状態です。実は水道水を何もせずにそのまま飲むことができる国は非常に少なく、アジアでは日本とアラブ首長国連邦のみです。
しかし、そのキレイな水を実現するためには大変大きな労力と長い時間をかける必要があります。
水が水道を通り我々の元に運ばれてくるまでの行程は、
水を取り出す「取水」
↓
水をキレイにする「処理」
↓
処理した水を貯める「貯水」
↓
水道管を通し住民に届ける「配水」
これら4つの大きなものに分けられます。当然、それぞれの行程で別途コストがかかるため、どれか1つでも負担が小さく済めば必要経費を抑えることができます。
元々水源がキレイな地域では、最も大きい負担になる「処理」の部分を大幅に削減可能なため、転じて利用者である住民の水道料金も安く設定することができるのです。
水道料金は人口密度で変わる!
水道料金には人口密度も大きく関わってきます。
これは、住民から依頼があれば全家庭に水道管が巡るように工事をしなくてはならないことが大きな要因です。そして今では水道なしで生活するのなんて不可能ですから、絶対にこの依頼は来ます。
水道を引っ張ったところにたくさん家があれば、そこに住んでいる全ての人達がその水道管の恩恵を受けることができます。つまり、工事費などの必要経費を皆で分担することができるのです。これを街中でやれば、家族ごとの負担はごく小さなもので済みます。
しかし家が少ない場合は、少数の人たちで敷設した費用を何とかしなくてはなりません。極論「1棟のためだけに」工事を行う場所ばかりだと、その町に住む住民全体がそれらの負担を水道代という形でまかなわなければならなくなってしまいます。
人口密度が高ければ高いほど水道代は安く済み、低いところは高く出ます。そのため、水源に東京都や大阪市、北九州市と言った自然が少なく人工的で水が汚そうなイメージがある地域の方が、実は水道代は安いのです。
例えば東京都は全国平均(20㎥あたり)3,202円に対し、2,376円と1,000円近く小さな値を記録しています。大阪はもっと安いです。面白いものですね~。
最も安い町は富士山の天然水を利用している
今の日本で最も水道料金が安い町は、山梨県富士河口湖町と呼ばれる富士山のふもとにある町です。
この町では富士山の積雪が溶け出した水を利用することができるのが特徴。この水は10数年かけてろ過された状態で流れてくるため、前述した「処理」の部分にほぼお金をかけなくても済んでしまうそうです。
さらに富士山という日本で1番高い山から水が降りてくることになるため、4番目の行程である「配水」についても最低限の電気代をかけることで実現でき、結果として日本最安値級を記録し続けているのだとか。正に立地に恵まれているからできる芸当と言えそうです。
その数値はなんと月平均835円!
全国平均と比較して約1/4、東京都と比較しても約1/3程度と圧倒的な数値!都心と年間2万円近い水道代の差が出ているのは大きいですね…!
ちなみに3位,4位にランクインしている町は静岡県にある町で、同じように富士山や近くの山の恩恵を受けている町となっています。
2位は兵庫県の赤穂市。
こちらは水量の多い川と地下水という山とは全く違った恵まれた水源を有している町で、富士河口湖町とは1,2位を争う熾烈なライバル関係にあります…!
水道代が高い町は北海道に多い
現在最も水道代が高い町は、北海道夕張市。その金額は6,841円と圧倒的数値です。
前述の通り、人口密度の小さい町は住民に対する水道工事の負担が非常に大きく、北海道のような広大な土地に少数の家が点在しているような地域では大変不利となります。
ワースト5のうち4つが北海道であり、もう1つも青森県と過疎化が懸念される地域です。
夕張市がワースト1位につけているのは、過去に財政破綻した煽りで公共料金の大幅な値上げを行ったことが響いているようです。人口も1万人を割っている地域ですので、改善はなかなか難しいと言えそうです。
まとめ
水道料金に大きな影響を与えるのは「水源の水質」と「人口密度」でした。
こうやって水道工事の大変さや難しさに改めて思いを馳せてみると当然と言えば当然な気もしますが、これだけ差があるとやはりできれば安い地域に住みたいなぁと思ってしまうところはありますね。
しかしながら、多くの人が住んでいる地域では安く出るというのは朗報でした。やっぱり「都心は何でも高いんだー!」というイメージが強いですし、1つでもなんか得した気分と思えるものが見つかると良いですよね。水道代は間違いなくその1つになるでしょう。
金額の高低には、関わっている人たちの努力の積み重ねが詰め込まれています。高い安いに一喜一憂するとは別に、そういう方々の頑張りにはちゃんと敬意を示せる大人でありたいですね。いつも美味しいお水を!本当に!ありがとうございます!