「立皇嗣の礼」というものが突如ニュースで話題になっております。2020年4月19日に執り行われる皇位継承に関する儀礼です。
多くの人にとって全く馴染みのない言葉だと思います。
天皇陛下の生前退位に伴い執り行われることになった今回の儀礼。
読み方やどういうものかを簡単にまとめてみました。よろしければお付き合いください。
読み方は「りっこうしのれい」
「立皇嗣の礼」と書いて「りっこうしのれい」と読みます。
「嗣」は「つぐ」と読むことが多いため「りっこうつぎ?つぐ?」辺りで悩んでいましたが、実際は「りっこうし」でした。
この"嗣"という字には元々「後を継ぐ」といった意味があり、後嗣(こうし)と書いて「後継ぎ」という意味の言葉になります。今回は皇族に関わる事柄になるため、後嗣ではなく「皇嗣(こうし)」という言葉が使われています。
その次の"皇嗣"が"立"たれる儀"礼"であることから「立皇嗣の礼」と呼ばれるようです。
次の天皇になる人を示す国事行為
「皇嗣」とは皇位継承順位1位を持つ人のことを指します。
現在では皇太子殿下がその立場に当たっており、天皇陛下の生前退位によって皇太子殿下が天皇に即位することとなっています。
これに伴い空白となる次の「皇嗣」を示す必要があります。
これが「立皇嗣の礼」です。
しかし実はこの「立皇嗣の礼」が執り行われるのは今回が初めてのようです。
今まで通りであれば、別の儀礼が行われるからです。それは天皇陛下が生前退位されることではなく、別のところに鍵があるようです。
聞き慣れない言葉が出てきたわけはここにあります。次を見て行きましょう。
男性の後継ぎがいないことへの特別措置
令和天皇陛下には男性のお子様がおりません。
今の日本の仕組みでは、女性天皇はまだ認められないことになっているため、徳仁親王殿下には正式な跡取りになれる血縁者が存在しないということになっています。今これをどうすべきかは別の議論が交わされている最中です。
今後改善されることがあるかもしれないとは言え、皇位継承の段階では現時点の仕組みで全てを終えなくてはなりません。
そのため、皇太子ではなく別の者を皇嗣と認定するための特別措置として新たに用意されたのがこの「立皇嗣の礼」というわけです。次の皇太子殿下が存在している場合には「立太子の礼」というものが別に執り行われているとのこと。
次の皇嗣には秋篠宮様が指名されることが確定していますが、令和天皇陛下とは兄弟関係に当たるため、完全な将来を見据えた皇嗣ということではなさそうです。
次々期天皇に愛子様を指名できるかどうかの結論を出した後、新たな皇嗣、皇太子様を決定するということではないでしょうか。
皇太子(皇嗣)の存在が保留のままだと、例えば天皇陛下に急な不幸が訪れた際、後継ぎ争いなどに発展する恐れが高まるため、確定しておく必要は常にあるということなのだと思います。
まとめ
立皇嗣の礼(りっこうしのれい)についてまとめて参りました。
皇位継承ではなく「その次に皇位を継承する者」=「皇嗣」を確定する国事行為。しかも今回初めて行われる儀礼ということで、また1つ「歴史的瞬間に立ち会うことになるんだな」という実感が湧いてくる言葉でした。
生前退位に際し、しばらくはニュースで難しい言葉を聞く機会も増えるでしょう。自分には無関係なことと思わず、この機会に勉強して覚えて行けたら良いなぁと思っております。
この記事が皆様にとってそういう場になっていたら幸いです。
お読み頂きありがとうございました。