スーパーの野菜売り場に売られているピーマンの袋詰め。よく見てみると入っている個数に差があることはご存知ですか?
他の野菜は○個入りで販売されていることが多いですが、ピーマンはその中でグラム売りが採用されている野菜の1つ。
しかも1g辺り○円という値段設定ではなく「150g1袋」という形で販売されていることが多く、極めて珍しい販売形態を取っています。
何故このようなことができるのでしょうか?
この記事ではその理由に迫って参ります。
1つ1つの大きさの差が激しい
ピーマンは収穫時に大きさの差が出やすい野菜であり、○個○円という価格設定では販売する際に不公平が出やすくなってしまいます。
また1つ1つが気持ち大きな野菜であることから、ランダムに袋詰めしてしまうと1袋辺りの価格の開きが大きくなりやすいのも問題です。そういう売り方をしてしまうと、ピーマンの売り場に滞留して「安いもの」を吟味するお客が増えたり、クレームの原因になったりと店舗営業に差し支えが出やすいからです。
そのため、「1g辺り○円」という値段設定も採用し辛い野菜です。
だからピーマンは1袋150gという内容量に格差が出ない売り方をすることで、消費者に対して公平性を保っているのです。
野菜の売り方1つ見ても、商売の工夫というのが垣間見えますね。
150gを均一に計る機械がある
ではどうしてピーマンは150gを確実に1袋に詰めることができるのでしょうか?大きさにバラつきがあるということは、完璧に同じグラム数に収めることもまた難しいはずです。
実は、そういったピーマンの販売に関する問題を解決するために、ピーマンを袋詰めするためだけの機械が開発され、各現場に導入されているのです。
製作・販売しているのは「イシダ産機株式会社」さん。
(参考1:http://www.ishidasanki.com/example/packing.html)
(参考2:https://www.ishida.co.jp/ww/jp/products/weighing/ccw/greenpepper.cfm)
野菜や食品だけでなく、様々な物品の計量・梱包・発送などを効率的に行う機器を取り扱っている企業さんです。工場などで働かれている方は、何かとお世話になっていることが多いかもしれませんね。
商品ページを見てみると分かりますが、個別に計量機器が販売されている野菜はそう多くありません。その他にはミニトマトやアスパラガスなどが存在しているようです。ピーマンの計量と販売は、専用の販売機によるサポートが必要と判断されるほどに難しいものだということが分かります。
この機械には14個の量りが搭載されており、それを組み合わせることで実現できる16,383通りの組み合わせの中から、最も150gに近い組み合わせを見つけられる仕組みになっているそう。
計測にかかる時間はわずか0.3秒!驚きの速さ!
その結果、1分間に約50袋のペースで袋詰めが可能とのこと!
この機械の導入による業者さんの労働量の削減や時短率は半端なものではないでしょう。今ではピーマンの生産と出荷が盛んなほとんどの場所でこの機械による計測が行われています。
だからピーマンは「1袋150g」という売り方が実現できているのです。
まとめ
ピーマンは150g1袋で売られている。
その理由は1つ1つの大きさの差が激しいから。
150gを計量するための専用の機械がある。
1分間で約50袋を自動で袋詰め可能。
という内容でした。
普段何気なく購入している野菜1つにもこういった技術の結晶が利用されているんですね。そしてそれが開発されるまでの裏側には、長い間その作業に悩まされてきた人達の苦労があるのでしょう。
我々が当たり前のようにカゴに放り込むことができているのも、表記を疑うことなく安心して購入することができているのも、そういった方々の努力のおかげである、ということを知っておくのは良いことかもしれません。
食べ物は日々の生活になくてはならないものです。関わっているたくさんの方に感謝しながら、大切に召し上がりたいものですね。お読み頂きありがとうございました。