アウトドア初心者が行く近畿の秘境「大杉谷」トレッキング!日本三大峡谷で大自然を堪能!【PR】
アウトドア初心者が行く近畿の秘境「大杉谷」トレッキング!日本三大峡谷で大自然を堪能!【PR】
続きを見る
大台町PRツアーに参加し、国の文化遺産「大杉谷」でのトレッキングを体験し終えた我々は…
前回記事で登場した「大杉谷」の"仙人"こと巽幸則さんのご自宅で一服することとなりました。
大台町PRの4記事目は、電波の届かない秘境で1人生活する巽さんをご紹介して行きましょう。
Verdeツーリズムのガイドにも名を連ねる仙人の「現代人に足りない生活観」を、そのご自宅や話しぶりから是非ご堪能ください。
仙人の住む家へ
トレッキングを終えてバスで移動すること10分ほど。目的地である仙人のご自宅が見えてきました。
見えてきたと言っても周りは石垣と植物だらけで建物らしいものはなかったのですが…
上を見上げると「大杉谷山荘」と書かれた古風な建物が!この大杉谷を訪れて以降、初めて出会った人工的な建物でした!
巽さんは以前ここで自宅兼民宿を営んでおり、登山客などの停泊地として愛されていたそうです。宿の経営の他に、当時からガイドも請け負って生計を立てていたとのこと。
しかしながら、前記事でも取り上げた平成16年の豪雨災害でその後の10年間は登山道も封鎖。山荘も浸水被害に遭い、廃業を余儀なくされました。ですが巽さんはその後も土地を離れることなく、1人で今のお家に住み続けているのです。
「アルバイト募集!」の看板も(笑)
当時のものがそのまま設置されたままになっているらしい?
そこには巽さんがこの土地に住み始めた当初から続く、たくさんのこだわりや信念がありました。
身近には人工物も一切なければ電波も届かない、そんな秘境で暮らす仙人の生き方に迫ります。
振る舞いを受ける我々
巽さんの家に到着した我々は、中心に据えられた階段を登って彼のご自宅へ。
脇にはトトロを模した看板が。
大杉谷と山荘を取り巻く雰囲気がジブリのようであることから、自作して配置した一品もの。
過去にスタジオジブリに使用許可を貰うための手紙を出したそうですが、返事はなかったんだとか。少なくとも現在では非営利の私的利用物の範疇でしょう。
少々長めの階段を昇り終えると見えてきた仙人のご住居。
自動車のホイールと謎の目玉にお出迎えされました。独特のエクステリアセンスが光ります。
ちなみに大杉谷には宮川第三発電所が構えられている関係で、電気の供給には事欠きません。それが巽さんがこの地に根を下ろせた大きな理由でもあるようです(電波は届きませんが)
では早速ご自宅の中を!
…というわけには流石に行かず。今回我々がお邪魔するのは…
その向かって右手に組まれた、手作り感溢れるテラスです。夏場や今回のような大勢のツアー客の到来時には、こちらで集まって休憩を取るそうですよ。
見た目は少し骨組み感がありますが、かなり大勢が乗っても大丈夫なように頑丈に建てられたものとのこと。骨がしっかりしていれば建物は崩れませんので!
キャンプのような雰囲気の中で、おにぎり弁当と巽さんお手製の豚汁を頂きました。
豚汁がなかなか他では味わえない大人な味わいで疲れた身体に沁み渡った…。忘れられない味になりそうです…。
食事と歓談を終えた後は一旦下に降りて、皆でたき火を囲むことに。
これも冬場しか楽しめない風情ある時間です。
脇には「蚊眠小屋」と称した小さな小屋がありました。
小さな看板に書かれているのは…
大杉いも煮会
大杉奇面組
大名遊専科
大杉手搦の会
一体何なのだろうか…?
(そもそも何故「仮眠」ではなく「蚊眠」なのかも分からない…)
中は意外としっかりしていて、電気も通っています(!)レンジやテレビも使えるなど、この省スペースにしっかり宿泊できる設備が揃っているのです。何とも不思議な空間…。
たき火が良い感じに盛り上がってきたところで、身体を温めながら再び一服。冬に大勢で火を囲みながら談笑するなんてことも、大人になるとあまりできなくなる経験ですよね。
これは少し遠くで話を聞いている人達を中に呼び込もうとする仙人。いやー煙がすごいので服に臭いがね…ハハハ…。大人になるとこういうことも気になってしまうという…笑
自動車で来ていた僕は途中で観念して用意された椅子に座ることに。そこで巽さんから様々な貴重なお話を伺うことができました。
次の項では、忙しい現代人にとって新たな知見となり得る、仙人のその人生観の一部をお届けしましょう。
仙人の生き方から教わったこと
40代の頃に大杉谷での生活を始められた巽さん。キッカケは、普通に仕事をしていた時分に「自分の人生このままではいけない」と思ったからなんだそう。
人生の折り返しとも言える年齢を迎えた時、やりたいことを何を成し遂げていない自分に腹が立ってしまい。「残りの40年間は好きなことをして生きる」と心に決め、そのまま流れるように仕事を退職。
色々な巡り合わせがあって大杉谷の麓の土地を手に入れることに成功し、"仙人"としての生活が始まりました。
平成4年からここまで約27年間。
大杉谷の家と苦楽を共にし、駆け抜けてきた巽さんは「ここに来てから自分の本当の人生が始まったようなもの」と言い切ります。実際、彼の口から40歳以前の思い出が語られることはありませんでした。
僕はまだ一念発起した彼の年齢よりもまだ一回りほど下な身です。今後の人生の可能性を感じさせてくれるような生き方には、大きな感銘を受けました。
「まぁでも体感は2年だわ! ハッハッハ!」
などと楽しそうに笑う姿が印象的です。
叶えたかった男らしい3つの夢
巽さんがこの大杉谷を居住地に選んだのは、昔から持っていた3つの夢を叶えるためでした。
1つは自然に囲まれた生活に憧れて。
もう1つは毎日キャンプをしているような生き方がしたかったから。
とは言うものの、そういったロケーションで暮らすためには「ライフラインの確保」という大きな問題があります。人里から離れた場所に不要な設備は、当然用意されていないものですから。
その点も大杉谷は前述した発電所が存在。
そのおかげで、電気と水道の確保が可能な立地でした。巽さんにとって、大杉谷は正に理想の存在だったのです。
そして3つの夢の最後の1つ…それは…
「男の隠れ家を持ちたかった!」
「男なら誰だってこういう存在に憧れるもんだろう!」
…………。
分かる。
手持ちのおもちゃで"秘密基地"という謎の存在を家の1スペースに建設する。そのエンタメを男なら幼少期に一度は体験するものであるからして。
男たるもの大人になってもその熱意を忘れるわけではない。永遠の厨二病。でも"現実的に考えて"難しいからと、ほとんどの人がその欲望を頭の片隅へと追いやってしまうものでしょう。
巽さんはその誰もが抱くロマンを人生最大の夢として、全てを捨てて実現することを選んだわけです。もうそれだけで最大級の尊敬に値します。
30割増しカッコよく見えてきた。
秘境は空き巣の穴場!?
そんな夢を叶えて、大変ながらも悠々自適な暮らしを謳歌する巽さん。仙人となった彼には独りで暮らしていても怖いものはないそうですが、多少なりとも生活で困ってしまうことはあるそうです。
身近なものでは泥棒の存在。
と言うと「え、電波も届かない大自然の中に泥棒!?」と思われる方が多いのではないでしょうか。話を聞いていた僕達も、ほぼ全員がそんな反応をしました。
実はこういった一軒家には生活範囲拡大のための農耕機具など、外に出しっ放しにされていることが多くあります。また居住者以外の人間が近寄ることもほぼないため、あらかじめ留守の時間を下調べしておけば誰かに見られる可能性も低いです。
そういった側面から人里離れた一軒家は、プロの空き巣にとって高価なものを簡単に盗んで行くことができる"穴場"になってしまうんだとか。
「だからこういう家を放送しちまうテレビ番組なんかは、泥棒に情報提供してるみてぇなもんなんだよ。あいつらがここに来たら危ねぇことしてるぞと言ってやらないかん」
なるほど…これは実際に住んでいる人に聞かないと全く分からない発想…。と言うかその域に達しているプロの空き巣も、その熱意を正しい方向に使えば絶対大成できると思う…。
巽さんの家は、そういった防犯対策も手作りで張り巡らせて対応しているそうです。ますます「秘密基地感」が増して行きます。
自然災害と戦う仙人
その他、一番の懸念点はやはり「地震」とのこと。
実際この地域は東海地震が予期されているのもあり、日々の生活に影響はないものの「来たらどうしようもない」という気持ちは常にあるようです。
長年住み続けてきた家はお世辞にも耐久性が高そうには見えず…。自然の中で生活しているからこそ、自然災害への恐怖をより深く理解されていると思います。
「では、台風はどうですか?」
そんな中で参加者のお1人がこの質問を彼にぶつけました。恐らくその場にいた誰もが気になっていた質問でしょう。
15年前に大洪水を経験し、その風雨の恐ろしさを誰よりも身近で実感させられたであろう巽さんから、その感想を伺ってみたいと思うのは自然な事でした。
「おぉ! 台風はなぁ! すごいエネルギーを持ってるだろう?」
はい(何故だか楽しそうな…)
「だから来ると元気になるんだなぁ! ハッハッハ!」
なるほど。
自然の恐ろしさを痛感させられる、身震いするような回答を頂きました。
?
いやこれは恐らく、こちらの質問が上手く聞き取れずに回答なさってしまったのでしょう。たき火の燃える音に紛れての質問だったので、そうなるのも仕方がありません。
「…逆に、げ、元気になるんですか?」
というわけでそういうことじゃないんですよという思いを込めて、改めてもう一度聞いてみることに。
「おう! すごいエネルギーを持っとるだろ? だから元気になるんだよ」
そっか。
この話はやめよう。
先ほどからすこぶる楽しそうな巽さん。
恐らく災害に立ち向かうことさえ楽しんでいるので、準備や対処にアドレナリンが噴き出す…といったようなことなのではないかと僕は想像しています。
その回答をする彼の立ち居姿は紛れもなく"仙人"の風格。想像していた回答とは違うものでしたが、その短いやり取りから彼が仙人と呼ばれる由縁、そしてここで楽しく生活できる力の源のようなものを感じさせて頂きました。
「ボーっとする時間」を大事にできる人生を
そんな巽さんは、ここに人を迎え入れる度にこの生活ぶりを見せることで、来客に「もっとボーっとする時間を大事にした方が良いぞ」と伝えているそうです。
仙人は最近スマホに買い替えてLINEを使いこなすように。
ただし自宅には電波が届かないため連絡先交換ができない。
何をするにも時間に追われて忙しなくしている現代人。ですが、見方や感じ方を変えればこんなにも穏やかで緩やかな時間を過ごす生き方もできる。巽さんは自身の選択を持ってそれを証明しています。
それは決して常にボーっとしていろということではありません。人生には「力を抜いて何も考えない時間」というのが必要で、そういう時間を持てるように努力した方が良いのではないかということだと、巽さんは仰っていました。
目の前の全てに一生懸命にならなくても、部分部分で一生懸命になる時間を選べる人生を送ること。それが結果的に自分が一生懸命になっている時間をより輝かせてくれる、ということだと僕は受け取っています。
そういった自己啓発術は世の中に溢れていますし、頭で一度は誰もが考えたことがあるような内容かもしれません。ですが、実際に大自然の中で有言実行を果たしている仙人の暮らしぶりを体験しながら、その口から語られた内容を聞くこと。その説得力は段違いに大きいと断言できます。
何より巽さんは、出会ってから最後まで本当に陽気で気さくで、ずっと楽しそうにしている姿がとても印象深くて。
もう齢70を超えられたとは思えない活力に満ち溢れていて、こういう歳の取り方をしたいものだと心から思わされました。
今回はあまり時間がありませんでしたが、またゆっくりとお話できる機会があれば色々とお話を伺ってみたい、そんな大杉谷の"仙人"でした。
日々の生活に気疲れしている皆さんも是非、大台町の大杉谷で巽さんのお話を聞いてみてください。新しい知見との出会いが、皆さんを待っているかもしれません。
おわりに
大杉谷に住む"仙人"こと巽幸則さんについて1記事かけて紹介しました。
非常に魅力的な方で、大台町を訪れた際には是非お会いして頂きたいなぁと思っています。「この名所にしてこの人あり」とも言うべき活力と処世術を保有した人物です。
巽さんは大台町直属のツアー会社「Verdeツーリズム」のガイドを勤めていることもあり、Verdeさんのお世話になることでお会いできる可能性が高まります。Verdeさんのツアー内容は、ただ名所を案内してもらえるだけに留まらないんですね。
大台町の大自然は本当に広大かつ人の営みが感じられない秘境。初回の来訪で楽しみ切るのは初心者には難しく、Verdeさんの力を借りるのが安心かつベストな選択であると、実際にそのツアーを体感した僕は思っています。
大台町の観光に関わるのは、本当に大台町のことが大好きな方ばかりです。
大自然の雄大さに心洗われながら、人のぬくもりに触れる。忙しない現代社会から隔絶された空間で、そんな心温まる時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
大台町、オススメです。
関連
詳しい情報が閲覧できる
「大台町観光協会」
https://web-odai.info/
今回宿泊させて頂いたホテル
「奥伊勢フォレストピア」
https://okuiseforestpia.com/
大台町を知り尽くしたツアー会社
「Verde大台ツーリズム」
https://verde-odai.co.jp/
PRツアー記事まとめ