大杉谷トレッキング スタート
六十尋滝を堪能し尽くした我々は続いて次の目的地へ。もう1本見られる良い滝があるとのこと。
細い道(?)の先に入り込んで行くと…
大き目の広場に到着。
ここでこれから行う行程の確認。目的の滝は川を上流に向かって辿ることで見えてくるものだそうです。
広場を下って見えたきたのがこの川。
道らしい道はなく、見渡す限りの岩場が拡がります。油断するとすぐに足元を取られそう…。
この川も平成16年の大雨で一度完全に塞がってしまったものが、改めて"川"の形式を取り戻した姿。この岩場は土砂崩れのもたらしたものなんですね。
実は先ほど立っていた広場も、土砂崩れによって生み出された地形だったんだとか!15年前は平地だった部分に土砂が積もり、奇しくも人が募れるスタート地点のような場所ができあがったのです。
確かに降りる時はこんな感じでした。
歪な地形になっているのも納得です。
先ほどまでそんな場所に立っていたなんて…大杉谷に来てから驚きの連続です…。
岩場を越えて
では山歩きならぬ川歩きを初めて行きましょう。
これも広義では立派なトレッキング(無理して山を登らない山歩き)ですね。
道中では前方に道がなく、このように岩飛びを強いられる場面も…!仙人の他、ツアー参加者に登山ガイドの方が2名いらっしゃったので、その助けを借りながらのトレッキングに(ありがとうございました)
さぁて、どんどんと進んで行きますよ。
川を越え岩を越え…
水に落ちないように気を付けて…。
実は本来なら、雨量が少ない冬場はこの川は水が流れていないことが多く、今回のツアーもその前提で組まれた内容だったとのこと。
ところが数日前の大雨によって水量が増加し、晴れて川も復活。普通に河原をハイキングするような内容になる予定が、割と本格的なアスレチックコースに大変身。…神様、お出迎えありがとうございます!
夏場はサンダルで川の冷たさを楽しみながら歩くことができますが、冬場は流石に…ということで川を回避しながらの大冒険。
不安がなかったわけではありませんが、慣れてきた途中からはだんだんと楽しくなってきて。身体も火照ってきて寒さを感じないほどにこのトレッキングを満喫しました。
歩いてきた道を逆側から。
思えば遠くまで来たもんだ。
道中にはこういった壁面を濡らす小さな水の流れ(厳密にはこれも滝の一種)を見かけることも。少し視野を広くするだけで本当に様々な自然風景を楽しむことができるのです。
そしてそのまま歩みを進めること数分…
見えた!
ゴールが!紛れもないゴール!
自然の中でのトレッキングは「今回の目的地はここです」と説明を受けて"立ち止まる"印象でしたが、今回のこれはゴール。完全にゴール。THE行き止まり。成し遂げた感がすごい。
マリオのようなアクションゲームが大好きな僕としては、明確なゴールに到達する喜びは人生を構成する大事な1要素。今回はそのゴールに自分の足で辿り着いたのだから、色々な達成感が込み上げてくるというものです。
トレッキングのゴールになっているこの滝は「無名滝(むみょうだき)」と呼ばれ、名前が登録されたものではないそうです。
大杉谷にはこういった無名滝が至るところに存在しており「その1つ1つは特別なものではなく全て揃って大杉谷を作り上げている」とすることから、それらを総称して「無名滝」人と呼ぶ人が多いんだそう。
六十尋滝ほどの壮大さはないものの、より間近で滝の水流を観察することができるのが魅力。これはこれでまた違った良さがあります。水質の美しさもあいまって、幻想的な質感を醸していますね。
自然にろ過された湧水が流れているところも。
辺りに人工物が一切ないので、そのまま飲むことが可能。
大杉谷トレッキングは予定に反して本格的な川歩きとなりましたが、その分達成感と高揚感は大きく思い出に残る内容となりました。
何より今までに見たことがないほど美しく澄んだ自然に浸りながらエンジョイできたことは、とても良い経験でした。
最近はこういったレジャーともご無沙汰気味でしたが、また友人と一緒に盛り上がってみたい。そう思わせてくれる時間になりました。仙人も「もっと時間があればなぁ」と仰っていたので、またプライベートでもゆっくりできるタイミングで訪れてみたいと思いました。
しかしわずかな時間でも、今までに味わったことがない多くの経験をすることができました。たくさんの感情を胸にしまって、僕達は大杉谷を後にするのでした。
…とその前に、帰りは元来た道をもう一回。
下山するまでが登山(トレッキング)というわけで。ゲームのようにゴールしたら最初に戻って次のステージへ…というわけには行きませんね。
おわりに
2日目のメインレジャーであった大杉谷トレッキングは、今まで見たことがないような自然の営みに触れながらも、童心に返って楽しむことができる大変に有意義な時間に。
登山というよりアスレチック寄りの内容で、きつすぎず難しすぎず楽しむことができました。
水に落ちたら大変なことになる…という冬場ならではの緊張感と、ハキハキと歩み進めるほどに火照ってくる身体がより大きな高揚感を演出。独特の風情がある景色を含めて、こちらも夏にはない楽しみ方ができたような気がします。
ケータイの電波が届かない極地、生き物の気配さえ感じられない静かな寒い冬の日に、轟轟と音を立てて流れる滝。
大雨による土砂崩れの影響を感じる瓦礫の山を乗り越えながら、細かに舞う水しぶきに当てられる。その物静かな時間がとても趣き深く、掛け替えのないものであったような気がします。
「"何もないこと"がある時間」を過ごせる大台町の旅の中で、より大自然の最中にいることを実感させてくれた場所。それが大杉谷でした。
皆様も是非、大台町でこの穏やかで美しい時間を過ごしてみてくださいね。
関連
詳しい情報が閲覧できる
「大台町観光協会」
https://web-odai.info/
今回宿泊させて頂いたホテル
「奥伊勢フォレストピア」
https://okuiseforestpia.com/
大台町を知り尽くしたツアー会社
「Verde大台ツーリズム」
https://verde-odai.co.jp/
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