牛肉のランク評価が一般的価値観となりつつある昨今。
焼肉屋などでも「A5」という表記を売りにしているところが多くなった気がします。
でもこの「A5」というランク、実際は何を表しているものか考えたことはありますか?
「よく分からないけどA5なら間違いないでしょ?」とお思いの方々、ちょっと待ってください。
実はこれらの表記は、美味しさを表すものではありません。それどころか我々消費者にとってはまるで関係のない価値観で決められているかもしれないのです。
ではその実態はどのようなものなのでしょうか?
この記事ではこの牛肉のランク付けについて詳しく解説します!
そもそもA5とは何か?
A5A5と言うけれど、そもそもこのA5というランクがどういう根拠でつけられているものかご存知でしょうか?
何となく最高級であるというイメージがあるこの表記ですが、詳しく知っている人はそう多くないのではないかと思います。
まずはこの表記がどのようなもので、どう味に影響しているのかを勉強してみましょう!
A5のAは「1頭当たりから取れた肉の量」を表す
実はAというアルファベットが表しているのは1頭の牛から取れた肉の量。骨や皮や内臓を取ったあと、食用として使える肉の量がどのくらいか残っているかという目安なのです。少ないものはCで、最も多くてAが振られます。
つまりこのアルファベットは肉の品質とはほぼ関係がありません。
Aと言われるとどうしても「良いもの」というイメージが強いですが、肉に関しては消費者たる我々にはほとんど関係ないのだそう。業者の方の仕入れに関係しているというところでしょう。
「格安の焼肉屋などでもAの肉が使えるのはなんでなんだろう…」と思っていた方も多いと思いますが、こんなからくりがあったというわけですね。
A5の5は肉質を表すが…?
一方で5という数字はちゃんと肉質を表しており、この数字が高いほど良い肉ということになります。しかし、重要なのは美味しさの基準ではないということ。
ここで言う肉質の大きなポイントとなるのは肉の霜降り度合いです。肉の中に多くの脂が含まれているほど高い評価がつきやすいということですね。
その他、色や締まりなども勘案されていますが、食べた時の実際の味は含まれていないため、見た目が良ければ高い評価がつくといったものになっています。
つまりこれらはあくまで業者さんが肉を買う時に良い肉であることを見極める指標であり、我々消費者の求めている味のお肉かどうかはさほど関係がないというわけなのです。
極論デカくてデブな牛であればA5に該当する可能性も出てくるため、A5だからと言って高価でレベルの高い牛ばかりではないということは覚えておいた方が良さそうですね。
プロが薦める本当に美味しいお肉はA3
以上のことからA5が必ずしも美味しいお肉ではないということは分かってきましたが、そうなってくると気になるのは、本当に我々が食べるべきお肉は何なのかということ。
業者さんが言うには、眺めるならA5だが、食べるならA3とのこと。
A5は脂っこいだけで美味しくないことも多く、適度に脂が乗っていて赤身部分も多いA3の方が肉の味を楽しむにはベストであるという見解が一般的だそうです。
本当に質の良い脂の最高級牛であればA5に勝るものはないのでしょうが、普段我々はそのような牛肉を食べているわけではありません。であるならば、ただ脂が乗っているだけの牛を食べるよりも、適度な脂で肉を楽しんだ方が良いということですね。
もちろん「肉は脂っこい方が美味い!」という方もたくさんいるでしょうし、そういう方にとってはA5は常に最高のお肉であるはずです。
食の好みの話ですから「本当はどっちが美味い」と言う競い合いするものではないと思います。しかし、こういう知識を持って自分に合ったお肉を食べられるようにしていけたら、人生がより豊かになるのではないかと思います!
まとめ
お肉でよく見る最高級グレードの「A5」
Aは1頭から取れる肉量が多かったことを表す。
5は肉質(霜降り度合い)を中心に評価された数字。
味ではなく見た目が良いものが高い評価を得る。
眺めるならA5だが、食べるならA3というプロの意見も。
といった内容でした。
脂の乗ったお肉はボソボソのお肉よりは間違いなく美味しいですが、ただ漫然とあれば良いものではないのも事実。質の良い脂の乗り方というのも意識して食べられるのが食通というところでしょうか。
庶民たる我々が日常的に食すレベルであればさほど気にする必要はないのかもしれませんが、たまの外食などで良いお肉を食べられる機会では、このランク付けのからくりを思い出してみても良いかもしれませんね。
楽しいお肉生活をお送りください!