焼肉で大人気の部位の1つ、ミノ!
コリコリとした食感が癖になりますよね。
ホルモン系の部位の中では臭いが少なく味もすっきりしているので、食べやすいのも特徴。外食の際には必ず注文するという方も多いかもしれません。
そんなミノですが、コリコリしたものの他に柔らかい食感の物に出会うことがあると思います。
あの違いはどこから生まれるのでしょうか?
そしてどちらが高級なものなのでしょうか?
この記事では、その食感の違いを中心にミノについて解説して行きます!
ミノは牛の"第一の胃"のこと
ミノは牛の胃の部分を食材化したものです。
焼肉のホルモンとは広義で牛の内臓部分全般を指しますので、ミノもホルモンの一種にくくられます。
ここで注意しておきたいのは、牛は胃袋が全部で4つある生き物だということ。繊維質の植物などを反芻して消化しやすくするために、複数の胃袋を持っているのです。
その中で"第一の胃"に該当するものがミノと呼ばれています。拡げた時の形が蓑傘に似ていることから、ミノと名付けられたと言われているんだとか。
第二の胃はハチノス、第三の胃はセンマイ、第四の胃はギアラとそれぞれ異なった名前で食されており、味や見た目、食感も少しずつ異なっているのが特徴。
人間の胃袋に当たる働きをするのは第四の胃ギアラのみで、ミノは厳密には食道が進化したものだそうですよ。一概に胃と言っても様々な形式がある生き物、それが牛なのです。
ではミノの食感が変わる理由は何なのでしょう?
かなり限られた部位ですから、位置によって食感が変わる…ということはあまりなさそうです。
実はミノの食感は、育て方の時点で大きく左右されるものだったのです。
牧草食はコリコリ 穀物食はやわらか
ミノの食感は、食べる餌によって変化します。
具体的には牧草を食べているか、穀物を食べているかが大きく関わっているとのとこと。
まず牧草を食べて成長した牛のミノはコリコリとしています。
牧草は基本的に消化がしにくい食べ物です。
これを栄養源にするためには胃を長時間活動させなければならず、結果的に牧草食の牛の胃袋は強く発達することになります。
筋肉が強くなることにより、食材としては歯ごたえのある食感に。これが独特のコリコリ感を生み出しているのです。
牧草を主に食べる牛ということで、主に放牧で育った個体がこのコリコリとした食感になることが多いようです。
対して穀物は消化がしやすく、胃への負担が小さい飼料。
胃が必要以上に発達することなく、やわらかい状態を維持したまま市場に出回るのは穀物食の個体です。
穀物食の牛は人間の手によって飼を与えられている=ブランド牛であることがほとんど。転じて、やわらかい食感のミノはブランド価値のある高級品として提供されるのが一般的です。
身近なものがコリコリとした食感だからこそそのイメージが強いミノですが、だからこそ高級な物はそのイメージと違った食感になるということですね。
まとめ
・ミノは牛の第一の胃袋
・牧草食の牛はコリコリ
・穀物食の牛はやわらか
・ブランド牛はやわらかい傾向
といった内容でした。
最近では焼肉の部位別呼称が前よりも世間に浸透してきて、ちゃんと勉強しないとどこなのかよく分からないお肉に出会うことも増えてきた気がします。
ミノは昔から幅広く親しまれているものではあると思いますが、正確な知識を持つことで今までより食事を楽しむことができるようになるかもしれません。
この記事の内容が、皆様の楽しい焼肉ライフに一花添えるものになりましたら幸いです。お読み頂きありがとうございました。