どんな家庭にも常備されているアルミホイル。
料理にも保存にも、ふとした時に使用する台所の必需品です。
このアルミホイル、どんな商品もツヤツヤした面とくすんだ面に分かれていると思います。使用する際、この表裏に悩んだことはありませんか?
実はアルミホイルに表裏はないんです!
片面がくすんでしまうのはアルミホイルの製造上、仕方がなく"できてしまう"違いでした。
この記事ではその理由などをまとめます!
製造過程で2枚を重ね合わせる
一般家庭で使用するアルミホイルの厚さは約12μm(※マイクロメートルと読む/0.012mm)程度とされています。この厚みを実現するために、原料であるアルミニウムを製造工程で強く強く圧縮していくわけです。
専用の圧縮機器を使うことで、1枚の厚みは25μmまで圧縮できます。そしてそれをさらに半分の厚みに圧縮する際、2枚のアルミホイルを重ね合わせて圧縮するという方法が取られます。
この時、重ね合わせた外側の面(プレス機に直接触れる面)は原料の光沢を維持するのですが、内側の面(ホイル同士が触れ合う面)は光沢を失ってしまいます。
これは内側部分では互いのアルミが自由変形して、本当に微妙なデコボコが無数に生まれているからです。細かいジグソーパズルのような噛み合わせが生まれていると考えると良いでしょう。
このデコボコがプレス面にはない光の反射を生み出し、見た目にはくすんでいるように見える面に仕上がるということなのです。
実際にくすんだ面を触ってみると、ほんの少しだけザラザラしているのが分かると思います。この触り心地の違いも小さなデコボコによるものです。
見た目にはすごい違いがありそうですが、元々のアルミホイル自体の厚みを考えればそのデコボコは本当にごくわずかな違いです(0.0001mm~を争うほど)
よって、使用上で気を付けなければならないほどの違いは存在しません。素材に違いもなければ、特別な処理が施されているわけでもありません。あくまでも全く同じものに目に見えないほどのデコボコができているだけなのです。
ですから「アルミホイルに裏表はない」とするのが一般的です。アルミホイルに裏表が記載されていることはよほどないと思います。
たったそれだけの違いで、あれほどに見た目に差ができてしまうというのも驚きです。アルミホイルは、身近な物で最も光の反射の神秘を感じられるアイテム、とも言えるかもしれませんね。
見栄えが良い方を「表」に
利用上の表裏はありませんが、包装に利用する場合はツルツルしている方を表面とすることが多いようです。
これは端的に、明るい方を表側に使った見た目が美しく見えるからという理由。気持ちの問題と言ってしまって良いですが、より多くの人が綺麗に感じるように計らうことも必要ですね。
この風潮に伴い、主にアルミホイルで表裏を示さなければならない時は、ツルツルしている方を「表」(人に見える側)くすんだ方を「裏」(隠れる側)と呼称されるようになっています。
あくまでも社会的な傾向であり、その場その場で表裏の扱いは異なります。そのような仕事や作業に直面した際には、しっかりと周りと認識の共有を行いましょう。
認識できない程度の性能差はあり
わずかなデコボコがあることで、性能の差がないわけではありません。一説によると、光沢面の方が少し料理が貼り付きにくかったり熱の伝導率が高い傾向にあるそうです。
しかしこれらはあくまでも理論上の話です。生活する上でアルミホイルの裏表が(違いが分かるほどの)影響を与えることはまずないことだと認識しておきましょう。
もし確実な違いがあるのであれば、商品情報や料理のレシピなどに「表」「裏」の記載が見られるはず。それが存在しない=少なくとも業界内では"ないもの"として扱われていると言えるのです。
くっつきにくいアルミホイルを求めているのであれば、最初からそういった加工が施された商品を購入しましょう。
アルミホイルで得する雑学
最後にアルミホイルに関するその他の雑学を少しだけご紹介します。
燃えるゴミとしても扱える
アルミホイルの原材料は金属なものの、非常に薄い製品です。高熱を通すと簡単に融解し、最終的には黒い粉々の灰と化します。
つまり燃えるゴミで出しても環境的に問題はありません。
しかし、常識を超える凄まじい量になった場合にはその限りではなくなる可能性があります。そういった状況を考慮するか否かで、ゴミとして出すアルミホイルの扱いは変わります。
これは自治体によってOKとNGが明確に異なっている部分なため、しっかりと確認した上で正確な対応を心掛けるようにしましょう。
排水口のヌメり予防に
金属であるアルミホイルは、微量ですが金属イオンを放っています。
この金属イオンには雑菌の繁殖を抑える力があり、台所の排水口や三角コーナーに丸めて入れておくことでヌメりが出るのを予防することができます。
これは使用済みのアルミホイルでも同様に効果を発揮しますので、料理でアルミホイルを使った後はそれを丸めて再利用するのがオススメです。
ただし、既についているヌメりを分解することはできません。汚れている場合は、アルミホイルを入れる前に一度掃除をする必要があるのでご注意を。
ハサミの切れ味を復活
ハサミや包丁などで何重かに重ねたアルミホイルを切断すると、その切れ味が復活します。
これは「構成刃先」と呼ばれる特殊な現象によるものです。アルミホイルの一部がハサミの刃部分に付着することで、刃の一部としての機能を果たすそうです。
「構成刃先」を利用することで、専用の研ぎ器を使わないと研磨しづらいハサミを簡単に元通りにすることができます。
こちらも料理に利用したアルミホイルの余った部分などを活用すると良いでしょう。切ったアルミホイルは丸めて排水口に入れてしまえば無駄がありません。
簡単な知識でゴミをリサイクルして、少しだけ快適な生活を送れます。是非一度お試しください。
まとめ
ポイント
・アルミホイルに裏表はない。
・光沢の違いは製造工程の都合。
・くすんだ面には極小のデコボコがある。
・光の反射の差で片側がくすんで見える。
・微々たる性能差はあるが、認識できるレベルではない。
使用時に何となく疑問を持ってしまいやすい部分ですが、実はほぼ気にしなくて良かったとは驚きです。この知識を持つことで、アルミホイルを利用する時の無駄が1つ減るのではないでしょうか。
その他、アルミホイルを利用した際に1ランク得できる知識も付け加えてみました。様々な特性を持ったアルミホイルを、気兼ねなく最大限活用できると良いですね。
この記事が皆様の生活を豊かに一助となりましたら幸いです。
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