安い、美味い、お手軽。
三拍子揃ったご家庭の強い味方。それが鶏もも肉。
とりあえず鶏もも肉があれば何とかなると言っても過言ではないほどに、食卓に並ぶことが多い食材だと思います。
しかしこの鶏もも肉…。
少し古くなったり安物を買うと、焼いても独特の肉臭さが残ってしまうのが難点に挙げられます。
食べているうちに慣れてしまうのですが、一口目のモヤッと感を何とかしたいと考えられる方は多いはず。かく言う僕は、あの臭みさえなければ安い肉で完全に満足できると思っていました。
そんな時、ある方法に出会って僕の鶏もも肉生活はその理想を実現することができたのです。今回の記事ではそんな僕が実際に実践している方法を紹介して行こうと思います!
その方法はなんと水洗い!
肉を水で洗うなんてとんでもない?いえ、ちゃんとした処理を行えば洗った方が美味しくなるんです!
塩を全体に振りかけて水分を出す
鶏もも肉を水洗いすると言っても、いきなり水に浸すわけではありません。水で洗うのは不純物を洗い流すためなので、まずはその不純物を表に出す必要があるのです。
と言うわけで、ひとまず開封した鶏肉全体に満遍なく塩を振りかけて行きます。しっかり揉み込むのではなく、あくまでも表面に塗り付けるようなイメージで塩をまぶすのがポイントです。
塩をまぶした直後の鶏肉はこんな感じ。
この時の肉は割引されていた赤鶏。市販品の中では気持ちお高めですが、割引されている=古いものなので臭みを取りを行いました。
そのままの状態で10分程度放置しておきます。
その間に野菜を切ったり別の食材の準備をしとおくと良いですね。
では10分後の鶏もも肉を見てみましょう。
おお。
こうして見比べるとお肉の色が明らかに違います。写真の撮り方の問題ではなく、本当に変わります。
全体的に水っぽくなって塩の形が見えなくなっていることにお気付きでしょうか?これは塩を表面にまぶしたことで、塩の力で肉の表面の水分が浮き出てきている状態です。
これは浸透圧を利用した塩の脱水作用によってもたらされたもの。野菜を柔らかくしたり漬物を作ったりする時に利用されるのと同じ現象、と捉えると分かりやすいでしょうか。
これを行うことで、劣化した表面を包んでいた臭み成分や古くなった油が水分と一緒にお肉の外に放出されます。言わば塩の効果で鶏肉のデトックスを行っているのです。
では、いよいよお肉を水で洗って行きますよ!
しっとりやわらか鶏むね肉冷凍レシピ (サクラムック 楽LIFEシリーズ)
塩と表面の不純物を水で全て洗い流す
塩をまぶしたことでお肉の具合が明らかに良くなりましたね。
塩の方はお肉に浸み込んでいるのではなく、外に出てきた水分に塩が混じり込んでいるだけ。まぶした塩によって肉その物が塩辛くなってしまうことはありません。
ですが、そのままにしていてはまぶした塩がお肉の周りを包んでいるのは変わりませんし、デトックスされた不純物も残ってしまっています。
というわけで洗いましょう。
表面にまぶした塩と表出した不純物を、水道水で完全に洗い流してしまいます。
何もしないで鶏肉を洗うことにはほとんど意味がありません。先に洗い流すべきものをお肉の内部から出し尽くした上で洗うことで、水洗いすることに意味が生まれるのです。
水洗いして切った鶏もも肉がこちら。美しい…。
買ったばかりのお肉よりも色つやも良く、張りが出ているのが写真からでも伝わると思います。
もちろんその効果は見た目に留まることはありません。僕はこの方法で下処理を行うようになってから、お肉を口に入れた時の臭みを感じることは一切無くなりました。その実感があるので、鶏もも肉を調理する時は必ずこの方法を利用しています。
衛生面では食中毒に注意が必要
1つ注意点です。
鶏もも肉をシンクで水洗いするのは、衛生的な問題から避けるべきであるという意見もあります。
鶏の表面にはカンピロバクター菌と呼ばれる食中毒を引き起こす細菌が付着している恐れがあり、これらは加熱処理か洗剤での水洗いを行わないと死滅しません。
鶏肉を水洗いした際に飛び散った水が周りの食器や生食予定の食材に付着し、食中毒の原因となる恐れがあるのです。肉を切ったまな板で野菜を切ってはいけないのと同じ理屈です。
ですのでこの方法で鶏肉を水洗いする場合は、周りの状態を確認した上で、シャワーなど弱い流水で洗う・ボウルに水を貯めてその中で手洗いするなど対策に留意する必要があります。
一般的な家庭で利用する量の鶏肉であれば、飛び散った水から食中毒になる可能性は極めて低いと言えます。しかしその可能性はゼロではありません。
衛生面では推奨される方法ではないことをしっかり記憶した上で、お試し頂ければと思います。安い肉をより美味しく食べるのには、確実な効果を発揮しますので。よろしくお願いします。
まとめ
ポイント
・鶏肉の臭みを取るために水洗いする。
・まず塩を全体にまぶして10分ほど放置。
・内部から水分と一緒に臭み成分が放出される。
・出てきた水分を塩と一緒に水で洗い流す。
お肉を水洗いするというのは、料理ができない人がやりがちなミスとして笑い話にされるような内容です。僕も最初はかなり懐疑的でしたし、進んでやりたいと思う方はあまりいないかと思います。
しかし実際にこの方法で下処理を施すと、とにかく処理後の鶏肉の色の美しさに驚かされますし、口に入れた時の不快感の無さには確実に満足できるでしょう。
鶏肉の下処理の方法は色々ありますが、この方法はその中で最も手軽かつ短時間で可能な内容です。必要なものを少量の塩だけで済みますし、パフォーマンスの高い方法論なのは間違いありません。
常に前日や当日のお昼から鶏肉を仕込んでおけるような環境であれば必要ないかもしれませんが、日々の生活においてはそうではないことの方が遥かに多いと考えれます。
僕自身、夕食を作り始める直前に買い物に行ったり、買い物をしながらその日作るものを決めたりすることが多いので、この方法は大いに役立っています。
前よりも遥かに鶏もも肉を利用した際の充実感が増しました。お金をかけないで良いお肉を食べている気分で最高です!衛生面に気を付けて、是非ともお試し下さいませ。
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