毎日一度は目にするであろうカレンダー。
スマホなど便利な端末で日付表示ができるようになった最近でも、ついつい壁にかかっているものを探して確認してしまったり。生活の必需品と言っても過言ではありません。
そんなカレンダーですが、土曜日だけが青色で書かれている理由はご存知ですか?
確定的な休日を表す日曜日と祝日は赤色で表記されますが、何故か土曜日だけが青色で統一されている。不思議ですね。
この記事では土曜日が青色になった理由と経緯についてまとめます!
プリンターで使える原色が青色しか残っていなかったから
カラープリンターのインクを入れ替えたことはありますでしょうか?ある方は、あそこに使われている色を思い出してみてください。あまり多くの数は用意されていないというイメージは湧きますよね。
具体的に言うと使える色は「黒」「赤」「青」「黄」の4種類。
一般的にカラープリンターのインクはこの4原色により成り立っており、これらの色を掛け合わせることで様々な色を現出するという方式を取っています。
こも4原色の中で「黒」は文字全般に「赤」は日曜日/祝日に使われていたことから、土曜日の色分けについては「青」か「黄」を用いなければなりませんでした。
PC作業で文字に色付けをしたことがある方には馴染み深い現象と思われますが、「黄」は白紙の紙に印刷すると大変見辛い色になってしまい(この記事でも既に分かると思いますが…)使われることはほとんどありません。消去法で「青」以外の選択肢はなかったというわけです。
もちろん、色を混ぜ合わせることで他の色を作ることは可能です。しかし色分けが始まった時期のプリンターでは、インクの複合による発色はズレや色味の違いが出てしまいやすかったことから、カレンダーのような大量印刷物ではできるだけ避けたかったのです。
このような事情からなし崩し的に青色が活用され始めて定着し、それが変化することなく現代まで伝わってきたというわけです。
色分けが始まったのは「週休二日制」導入に由来
土曜日の色分けが始まったのは1960年代頃に半日出勤に対応するためと言われていますが、大きく広まったのは1973年に起きた「オイルショック(石油危機)」辺りからだと言われています。
原油価格の高騰により様々なものが日本から消えると言われ、大パニックを引き起こしたこの事件を皮切りに、「節約」という概念が世間に浸透し始めました。
その一端として「週休二日制」を導入する企業が増えるという背景がありました。当時は高度経済成長が一定の収まりを迎えていた時期でもあり、働きすぎも問題視されていた時代。休みが増えればその分、使われる物資の量を減らすことができると考えられたのです。
社会全体でこういった空気が加速し「土曜日は休み」という価値観が一般化する中で、カレンダーの土曜日の扱いを「休みに相当する曜日」に変える必要がありました。
しかしながら、日曜日や祝日ほどに確実な休みというわけではなかったため、赤色に変えることはせず青色という新しい色が採用されることになったのです。
ちなみに日曜日が赤色のカレンダーが広まったのは戦後からだと言われており、これはアメリカで一般化していたキリスト教文化の風習に倣ったものであるとされています。カレンダーの曜日色については国によってかなり大きな差があり、そのどれもがその国の主たる宗教的慣習に合わせたものであるとされています。
まとめ
土曜日の青色はプリンターの原色から選ばれた。
色付けが広まったのはオイルショック以降。
企業が「週休二日制」を積極的に導入したことが影響。
でした。
あまりに当たり前のものだと理由も考えなくなるものですが、アラサーの僕からすると意外と歴史が浅いものだったというのは驚きでした。しかもそれが物理的な理由であったと分かると、何だかちょっと笑えてしまいますね。
当時の技術の限界や努力の後が色濃く反映された歴史的な理由であるとも言えますし、1970年代当時の人々の生活などを思い浮かべるのもまた一興というところ。これ自体は至極どうでもいいことではありますが、是非気が付いた時に周りの人と話してみてくださいね。