初めてのイタリア旅行が初めての海外旅行。
そんな状況でツアーに参加し、1週間かけてイタリアを周遊したのが5月のこと。
日本から遠く離れた地、ヨーロッパ。
異文化に触れ驚いたこともたくさんありますし、風土の違いを実感した瞬間もありました。
この記事では旅行先で感じた日本とイタリアの違いについて面白いと思ったところを書いて参ります。よろしければお付き合いくださいませ!
1.日が沈むのが遅い
サマータイムということもありましたが、とにかく日が沈むのが遅い。夜の21時を過ぎてもまだ明るいという状態。
日本の5月は19時頃にはもう暗いので、これにはかなり驚きました。
イタリアと日本の5月は気候にあまり差がなく、服装についてはほぼ同じ季節感のものだけで過ごすことができるくらいです。そのせいもあって「日が沈むのが遅い」ということへの違和感が倍増した気がします。
時差ボケはだいたい初日で治ったのですが、この感覚の違いというのはなかなか払拭できないもので。「まだ明るいから」という感覚で行動してしまうと、意外と夜遅かったりして「あぁそうだった」となりがち。
人間はやっぱり明暗である程度体内時計のコントロールをしているんだなということがよく分かりました。
同様の理由で日が昇るのも遅いはずですが、こちらはあまり実感することはありませんでした。季節的に夜が短いですし、毎日旅行疲れでかなりぐっすり寝ていたので(笑)
2.景色が美しすぎる
イタリアの景色の美しさなんて本当に言うまでもないことだ、写真でも見れるし映像だってたくさんある。書くだけ無駄。そう思われても仕方がありません。
しかしあえて言います!
現地はそれで見知った以上の美しさです!
イタリアの本当にすごいところは「どこを切り抜いてもイタリア」なこと。一般的な街並み、道路、住宅街、その全てが美しい。
ただの水路
ただの街並み
ただの街並み2
美しいと言われる観光名所や特定の街並みだけが美しいのではなく、ホテル街やレストラン街、駅なども含めて存在する全ての建物が美しく作られています。
道路も細かく整備されており、国全体でイタリアのイメージを守ろうとしているのが分かります。
高速道路を移動中に見える、山の中腹にポツリと建っている小屋でさえ我々の想像するイタリアの建物で、無様なものは1つとしてありません。少なくとも僕が1週間のうちに見た中に「残念なもの」は見つかりませんでした。
いや、正確には町中に出るとそこら中にあるラクガキは流石に残念か…。ただ全体的にアーティスティックなラクガキが多いのは面白い。ギャング集団などが誇示で描いているものもあるらしく、クオリティにもこだわりがあったりする…のかも。
描かれていること自体は残念ですが、その場所や描かれているものには、それはそれで趣きがあるものです。
これもイタリア人に根付く芸術性によるものなのか、それとも自分がただイタリアという国の雰囲気に浮かされてそう見えただけなのか、それは定かではありません。
3.新しい建物が少ない 故に美しい
イタリアは新しい建物が極端に少なく、古い町並みが維持されています。これも数百年前に作られた建物をリノベーションして使い続けているからだそう。
内装だけを入れ替え続けて、ずっと建物自体は建て替わっていないのです。
景観については法律で厳しく定められているので、新しい建物を建てる時も既存の状態を損ねないように配慮して建てなければならないとか。
決して古くて汚いということではなく、実際はむしろその逆。年季の入った美しさが国中を取り巻く、芸術的な風景がそこにはあります。
イタリアは諸外国が持つ景観上のイタリアのイメージを守ることに命を懸けている国です。
訪れてみると、フィクションで見たのと同じレベルの「俺達が考える最高のイタリア」が実在していることにまず心打たれます。
とにかく全てが美しい。
山小屋1つ取っても鉄製のボロ小屋とか1つも建っていないくらい、余念がないのです。
ただの街並みでさえこのクオリティ!
こちらはピサの斜塔のてっぺんから撮った写真!イタリアみ!
石造りの建物は時間が経つほど年季が入って美しくなると言うのは本当。石の欠け方や汚れ方1つとっても風情がある。木造の日本とはまた違った趣きがありますね。
イタリアは地震がとても少ない風土ということもあり、石造りの建物を壊さず使い続けることができます。構造の工夫が難しいため地震には弱いですが、劣化が少なく耐久力は高い素材です。だからこそ整った町並みを作ることができるんですね。
地震大国である日本では絶対に為し得ない恒久的な美しさの実現。その数も質も年季もイタリアは一線を画しています。
もちろん、日本にも何百年も前からある木造建築物はありますし、地震があるからこそ発展してきた文化もありますので、日本が劣っているというわけではありません。ただ、それくらい大きな違いがある部分だというだけの話なのです。
建物については最も大きな違いを感じる部分と言えるでしょう。
4.全てが伝説級 歴史的建築物の数々
ファンタジーの世界に迷い込んだかのような大聖堂や教会だらけのイタリア。本やテレビで見たことがあるものから、実は初めて見たすごいものまで。何もかもが素晴らしい。
子供の頃から何かで見て知っているレベルのものなども多く「おぉ本当に実在したのかこれ…」という感じ。
外観しか知らなかったものの中を見られたりすると、入ってはいけないところにいるような感覚に襲われます。ピサの斜塔などは完全にそれでした。
言わずと知れたピサの斜塔です。
中から上を見上げちまえるんだ!
すげぇ空洞!!
実際に360度の立体を自分の目で見てみると圧倒されてしまう。写真や映像ではやはり切り取った側面しか見えてないことを、否応なく感じさせられてしまうのです。
自分の身体と比べて感じる圧倒的なスケール感。
本などでは見られない足元の床の造形や柱の模様。
年季を感じさせる小さな汚れや傷が魅せる力強さ。
天井にまで緻密に描かれた絵画、1つ1つの細かい装飾。
その全てを自分の目で、耳で、肌で感じることができます。
イタリアに存在するのは「不世出の天才」と呼ばれた人達が何人も集まって何百年もかけて生み出された造形物ばかり。そこには、歴史に名前が残っていない人間による「なくてはならないサポート」もたくさんあったことでしょう。
技術も粗削りだった中世で、知恵と発想と時間だけで創り上げられた奇跡の集合体。それが至るところに現存します。
僕は正直、建物や造形物には個人的な興味が薄く、カッコイイ建物を見て心躍るということはあまりありません。それでもイタリアの建物は見ているだけで何度も鳥肌が立ちましたね。その建物1つ1つから、人の営みの痕跡を感じられたというのも大きかったと思います。
本当にこういうものを見て、一生を賭して芸術家を志す人がいるのも何となく分かってしまう。それくらい心震える作品ばかりを見ることができる国でした。
5.素材の味を尊重した料理
日本でも大人気のイタリアン。
「本場で修業したシェフの味」なんてのが1つのブランドになっているように、見慣れた料理も本場ならではの良さがあります。
ドーン!
バーン!!
ドカーン!
どれも美味そう!!また食べたい!!
イタリア料理は、日本人に馴染みのないような味付けや見た目ではありません。「なにこれ…?」と思わされる料理は少なく、ストレートに美味しいものが頂けます。
日本のイタリアンは日本人向けの味ですが、料理の形式や雰囲気自体に大きな差はない様子。ツアー指定のレストランは、日本人向けを意識してくれてはいるかもしれません。
その中でイタリアの料理は全体的に「素材の味を活かした」という言葉がそのまま合うかなというイメージ。
日本の料理はダシや旨みで美味しさを調整しているところがありますが、イタリアは素材と塩コショウの直球勝負といった料理が多いです。
もういっちょ!
肉!肉!!肉!!!
確か……魚!!
いかに素材の味を引き出す調理をするかが、「本場の味」と言われるポイントなのかなと思いました。
料理については別途記事をしたためていますので、よろしければこちらもご覧ください!
美食の国イタリアで本当に驚いた7つの食文化【イタリア周遊記】
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6.店員さんが不愛想
旅行ですから当然現地のお店で買い物をする機会もありますが、だいたいの人が不愛想です。
イタリアは労働を罪とする価値観だと言いますが、全体からそれが伝わってきます。
行動そのもののみが仕事であり、やることをやっていれば態度や対応については関係ないと考えているようですね。接客対応ピカイチの日本人が行くと、その態度に面喰うこと間違いなし。最初は邪険にされているのかとさえ思います。こっちがお客さんなのに!?と思ってしまうかも。
ですが国民全体が「そういうやり方を共有して生活している」のは良いことでもありますね。それぞれが緩く仕事することを皆が受け入れているから成立している文化です。
日本は「ちゃんとやる」ことを強要して、皆が苦しみながら仕事をしている文化圏。イタリアとは真逆です。そのおかげで私生活はとてもとても便利な国になっているのでしょう。一長一短あるなぁと感じます。
ただ、日本は「そうしないとやって行けない」という固定観念が強すぎて、がんじがらめになっているところがあるのは事実。イタリア人の振る舞いから「これでも世界は回っていく」ということを学んだ方が良いかもしれません。
ちなみにホテルなど観光客の対応が主な仕事の方にはニコニコしてる方が多いのでご安心を。
イタリア人自体はおおらかで陽気な正確な人が多いので、悪い人達ではありません。ただ絶望的に仕事が嫌いというだけなのでしょう。分かるぜその気持ち。
特にチップを渡した瞬間は「WOW!! YEAH!!」のような反応をしてくれて大変気持ちが良い!機会を見つけたら、是非直接渡してみてあげてください!
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より詳しく知りたい方は、こちらの記事もオススメです!
7.公衆トイレが少ない上に有料
しかも汚い!!
日本は恵まれている!!
そもそも公衆トイレ以前に水回りが全体的に微妙。ホテルの綺麗なトイレでもクオリティが昭和。
温水便座などはありません。
まず多くの場所でトイレの中にコンセントが確認できなかったので、取り付けられないような…。
綺麗なトイレがある場所は限られていますので、ツアーの場合は添乗員さんの指示に従って済ませましょう。カフェやブランドショップにはトイレがあるので、買い物ついでに使わせてもらうことを考えておくのも重要ですね。
加えてビックリしたのはトイレの作りや流し方が店や街によって違うこと。済ませた後で「これどうやって流すんだ???」と悩んでしまったことが何度か…。統一しておいてほしい…。
レバーではなく壁にあるボタン(レトロ)を押して流すタイプなどもあるのですが、その造詣が異様に凝っていたりして観光客を悩ませます。労力のかけどころが美術的な観点に向きすぎていると思う。綺麗にするのはそこじゃないと思う。
あと洋式便所なのに、水が前に溜まっている(和式便所の中みたいな)スタイルのトイレがあり、最初見た時固まってしまった。使う時は物凄いソワソワしました。
イタリア旅行はトイレに注意です!!
まとめ
海外旅行は異文化交流とは言いますが、本当に考えもしなかったことが起こります。特にヨーロッパ諸国であるイタリアと日本では何もかも違うと言ってもおかしくありません。20代後半になって初めての海外旅行でしたが、得るものはたくさんありました。
我々は普通や常識という観念を、どうしても自分達の周り基準で考えてしまいますが、少し空を飛べばこんなにも自分達の知っているものとは違う「常識」が存在しています。
それについてどちらが良いとか悪いとか、変わっているとかこうあるべきとか言うつもりはないのです。
ただ、皆がそれぞれの国で、それぞれの文化を受け容れながら生きているということ。そしてその中には、自分達の国より優れているところもあれば、劣っているところもあるのです。
それをどちらも否定せず、自分にとって良い刺激として取り入れて行くのが海外旅行の楽しさなのかなと思いました。
そういう点では、イタリアという国に最初に赴けたのは良かったかもしれません。それほどに色んなギャップを感じる国でした。
イタリアは実際に行ってみると、きっと話に聞いている以上に美しく、面白く、そしていい加減な国です。機会があれば、是非体験しに行ってみてくださいね!
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