イタリアに行く時にはスリに気を付けろ。
旅行先にこの国を選んだ際、まず周りからかけられる言葉です。
実際に訪れると、本当にヤバい人だらけで驚きます。観光地で周りを見渡したら、視界に絶対1人はいると考えた方が良いでしょう。
しかも警察に一切取り締まる気がないのでほぼ野放しです。警察は暴動とか大騒ぎが起きて初めて動くようで、こういった些末な小遣い稼ぎはスルーです。だから調子に乗るのでは?
しかし、ひとえにスリと言っても様々なバリエーションがあります。ポケットから何かを抜くなんて簡単なものだけではありません。あの手この手で小銭を稼ぐことに全力を挙げている人ばかりです。あまりに色々な方法で観光客にタカろうとするので思わず笑ってしまったことも…。
今回の記事では、新婚旅行で初めてイタリアを訪れた僕が見かけた、ヤバいスリ達を面白おかしくお届け。その後に、実際に僕が旅行で行ったスリ対策をご紹介します。
これからイタリア旅行に行く方はその対策に。それ以外の方は「こんな奴本当にいるのかよ」というテンションで普通にお楽しみ頂ければ幸いです。
1.物押しつけおじさん
写真を撮っているところにフラッと現れて、写真映えするアイテムを手渡ししてくるおじさんです。主に薔薇の花とか「それっぽいもの」を用意していることが多いです。
日本はポケットティッシュなどタダで配っているのもあり、物を手渡しで貰うことに抵抗がない文化。思わず親切な人かと思い受け取ってしまうことがあるそうですが、それを使って写真を撮ると購入を要求されます。
だいたい相場より少し高め程度のぼったくりです。払わないとしつこく追いかけてきたり、まくしたてられたりして恐いので注意が必要。彼らはこれが仕事なので真剣です。
高いと言っても払えない金額ではない(日本円換算で1000円ほど)なので、面倒だしと払って終わらせようと思ってしまいがち。そういう心理に付け込んでいる意地汚い連中です。
基本的にイタリアの街ではタダで物を配っていることはありません。こういう人を見つけても絶対に受け取らないようにしましょう。
僕は初日にハトのエサを配っている悪そうな兄ちゃんから危うく受け取りそうに。寸でのところで回避しましたが、この洗礼を受けたことで最終日までの心構えができました。
ちなみに受け取ってしまっても実際に払う必要はありません。逆にこちらがすごい勢いでまくしたてたり、警備員さんや巡回中の警察官に話しかけると逃げていきます。ご参考までに。
2.絵画敷き詰めおじさん
広場や道路のど真ん中を陣取ってやたら沢山の絵画を並べている人がいます。
この絵を誤って踏んでしまったり、汚してしまうと弁償しろと言ってくる意味不明な人たちです。主に粗悪なコピー品(違法)を1万円程度で売っているそうです。
場所を取っているため非常に厄介ですが、近付かなければ無害です。見かけたらなるべく迂回して通るようにしましょう。
これの亜種で、ブランド物のバッグ(絶対偽物)を道に並べている人もいます。同じく近寄らないようにしていれば無害です。
あと、間違ってもこういう人達に話しかけてはいけません。付きまとわれる原因になります。
だんだんとゲームのボスキャラ攻略めいて来ましたね。次に行きましょう。
3.顔面白塗りピエロおばさん
フィレンツェに生息を確認。
雑なピエロみたいな格好で雑なピエロみたいなことをしているタカり。
イタリアで出会う中では、取り分けフレンドリーな勢いで観光客に絡んできます。対応してしまうと、向こうのテンションに乗せられるまま楽しまされてしまいます。
普通に観光地付近をウロウロしているのでかなり狂気的。どういう街なんだと思ってしまう。
最終的にはその白塗りの痕を身体のどこかにつけようと迫ってきます。手にキスやハグなどを要求してくる場合は要注意です。
その痕を「サービスの根拠」にして金銭を要求するというやり方。その段階から態度が豹変するのでマジで滅茶苦茶恐ろしいです。実際ツアー客が引っかかっていたのを拝見しました。
こちらも、要求してくる金額はだいたい1500円~2000円程度。とりあえず払って済ませてしまう人が多いんだとか。逆にまくしたて返したりして、騒ぎを大きくすると逃げていくのも他の連中と同じです。ご参考までに。
豆知識ですが、こういうイタリア人の小犯罪人達は、暴力を振るうことからは一線を引いているようです。恫喝まではしても、人を殴ったりどこかに連れ込んだりしようとはしない模様。
日本では言い返すと殴られるように気がしますが、イタリアのスリはほぼないそうです。それを理解していると、対応にいさかか余裕が持てると思います。
4.インスタグラマー討伐!謎の甲冑騎士
主にコロッセウムやパンテオン神殿などに生息しているらしい。
甲冑を着込んで観光客の写真に写り込み、モデル料をせびってくる卑しい人達。自分から「一緒に写真を撮らないか?」と言ってくることもあるそうです。
物珍しいのでスタッフか何かと勘違いしてしまう人が多いそうですが、有志の一般人です。タカることに情熱を燃やし、甲冑まで着込むアホです。本当に熱意の方向性が意味不明。
甲冑騎士だけでなく、こういう写真に写り込むことを意識したタカりは最近かなり増えているとか。
観光地ごとに「それっぽい」感じのよく分からない服装をした人を見つけたら注意してください。平気で近付いてきて「ウェーイ!」と軽いノリでナチュラルにタカってきます。
日本でもそういうノリの人に会うとビックリしてしまいますが、テンションが高いだけでお金が絡んだ話に発展することは稀です。混同して軽いノリで対応してしまわないよう、そこの差はちゃんと覚えて対応した方が良さそうです。
余談ですが、イタリアはそういうのリのナンパも滅茶苦茶盛んだそうです。本当どうしようもねぇなこの国。
5.強制ミサンガ巻き付けおじさん
慣れた手付きで空いた手にミサンガを巻き付けてくる謎おじさんです。
手をフラフラさせていると、後ろから近付いてサッと巻き付けるプロ。主にローマの有名観光地によくいるタイプのタカりの様子。
ミサンガは1回結んでしまうと千切るしかないアイテム。一見お金を払わなければならない道理が通っているように感じてしまうのが厄介です。要求してくる金銭は1000円程度と、相変わらず微妙な金額ですし。
面白いのが、この人達全然忍んでいません。物凄い堂々とミサンガを手に持って、ターゲットを探して歩き回っています。
目で確認したら近付かないように注意した方が良いでしょう。他にも仲間がいるかもしれません。
主に成人男性をターゲットにしているらしく、日本人は隙も多いので狙われやすいとか。ローマの有名観光地では腕を組んだりして、後ろから干渉できないようにしておくのがベストです。
ただでさえスリがいて面倒臭いのに、こういう多種多様な人達への対策を考えないといけないので本当に疲れます。知識がない段階では、だんだん現地人が全員悪い人に見えてきちゃいますからねぇ…。
6.「コンニチハー(超良い笑顔)」
日本だったら十中八九セールスだと思ってしまうほど軽快な笑顔で迫ってくるおじさん。あまりにフレンドリーすぎて話を聞きたくなってしまうくらい良い笑顔。磨き上げられている。
しかも「コンニチハー」(日本語)って。怪しいとかいうレベルじゃない。
この時ちょうど1人で歩いていたので恐らく狙われたのだと思いますが、手ぶらと分かったからかすぐ去って行きました。
こういう人に声をかけられてつい立ち止まってしまうと、周りに潜んでいる仲間が出てきて金品をスられるという流れ。
このような集団でスリに勤しんでいる人達のことを「ジプシー」と言い、イタリアでは特に警戒すべき存在とされています。
若い大学生くらいの普通の若者が、徒党を組んで遊びとしてやっていることもあり、パッと見では分かりません。
スリは単独で行わず集団で行うのが基本だそう。このような相手と遭遇した際は、できるだけ立ち止まらずに歩き去ることが重要です。
イタリア人はプライベートでは基本陽気(仕事中は目が死んでる)人達なので、本当に観光客に話しかけたいだけの人もいるそうですが…。
我々にはその違いを判別することができません。心が痛みますが、総スルーが推奨されます。
7.ジェラート服にぶつけマン
この話はヴェネチアのガイドさんから聞いた話であり、実際に見かけたスリではありません。
手っ取り早く観光客の注意を引きつけるために、ジェラートを服にぶつけるツワモノがいるそうです。その間に仲間が財布をスって行くとか。
控えめに行って最悪すぎる。
物も盗られた上に服も汚される。やり方として悪質極まりない。
このタイプのスリは、後ろポケットなどの取りやすい位置に財布やスマホを入れている人を狙うそうです。一瞬で仕事を終えられる際にはベストな選択になるとか(ベストとは…?)
スリは6番のようなフレンドリーを装ってくるパターン、この項のように物理的に気を削いでくるパターンの他に、大人数で取り囲んで真っ向から盗りに来るような連中も割と普通にいるそうです。
重要なのは盗れると思わせる場所にそういうものを持ち歩かないこと。基本は身体に密着させた状態で、前面ポーチなどに入れておくのが安全ですよ。
旅行前にはしっかりと対策を
イタリアの名所には、各国からたくさんの観光客が来ています。それを狙った小悪党もそこら中にいるというわけです。
手口も本当にバリエーション豊富で、こうやって紹介してると笑いすら起こってしまうものばかり。日本なら即通報、職質レベルの人達だらけです。
物乞い系のタカりはいかにも怪しい感じで徘徊しているのですが、スリやジプシーは普通の服装をした普通の人なので、風体では見分けがつきません。
実際は生粋のイタリア人にスリは少なく、別の国の人だったりするそうです。現地の人はそういう部分から人を警戒するのだとか。
中でも日本人はスリやジプシーに選ばれやすいのです。
欧州系の人間の見分けがつき辛いことと、元々警戒心が薄いお国柄であることがその理由です。
嫌な話ですが、実際そう言われると納得してしまいますね。
僕も若い頃はケータイやスマホをよく電車の中に落としてしまったものですが、返ってこなかったことはありませんでした。日本は良い国です。
だからこそ、イタリア旅行の前には是非しっかりと対策を。その甲斐あって、こんな僕でも旅行中は何とか無被害で過ごし切ることができました。
心構えをしっかりと作り、必要なアイテムを揃えて万全の体制で臨めば、スリにも狙われなくなるはずです。
少しばかり羽目を外しても標的にされにくい準備をして、旅行当日を迎えましょう。
次のページでは、僕が実際に行った代表的な対策をご紹介します。